介護現場でのハラスメントとは?
今後の日本社会のさらなる高齢化に対応するため、「医療・介護・予防・住まい・生活支援」が包括的な確保が重要になります。
その為の 最重要な基盤の一つが、「介護人材」を安定的に確保です。介護職員が安心して働く ことのできる「職場環境 ・労働環境」を整えることが重要になってきます。
しかし、近年、 介護現場では、利用者や家族等による介護職員への「身体的暴力や精神的暴力」、「セクシャルハラスメント」などが、 少なからず多くの介護現場で発生し ていることが分かってきました。
これは、介護サービス が 直接的な対人サービス が 多く、利用者宅への単身の訪問や利用者の身体への接触も多いこと、 職員の女性の割合が高いこと等があげられています。
また、「生活の質や健康」に直接関係するサービスであり安易に中止できないこと等と関連がある等の指摘もあります。
※今回は、このような問題を前回よりもう少し詳しく考えてみたいと思います。
介護現場における利用者や家族等によるハラスメントの実態は?
Ⅰ: ハラスメントの実態状況をみると?
(1)調査資料よりハラスメントの実態を見てみると!
施設・事業所に勤務する職員のうち、利用者や家族等から、身体的暴力や精神的暴力、セクシュアルハラスメントなどのハラスメントを受けた経験のある職員は、サービス種別により違いはあるものの、利用者からでは「4~7割」、家族等からでは「1~3割」になっています。
この1年間(平成30 年)で見ると、利用者からのハラスメントを受けたことのある職員は、割合が高いサービスで6割程度、低いサービスで2割程度となっており、いずれのサービス種別においても、ハラスメントを受けている実態がうかがえます。
さらに、利用者からのハラスメントの内容をみると、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、居宅介護支援等では、「精神的暴力」が最も多くなっています。
特定施設入居者生活介護や介護老人福祉施設、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護では、「身体的暴力」が最も多くなっています。
総合的には、 訪問系サービスは、「精神的暴力」の割合が高い傾向がみられ、入所・入居施設は、「身体的暴力」及び「精神的暴力」のいずれも高い傾向がみられました。
(2)ハラスメントによる職員への影響があります!
ハラスメントを受けたことにより、けがや病気になった職員は「1~2割」、仕事を辞めたいと思ったことのある職員は、「2~4割」となっています。
【株式会社三菱総合研究所資料より】
※この資料の内容からも、介護人材の安定確保には?
ハラスメント問題の解決が重要なことが分かります。
Ⅱ:ハラスメントの影響状況をみると?
【上記資料を参考に考えてみると?】
【ハラスメントの発生要因や取り組みに向けた課題!】
(1)実態調査から見た発生要因や取り組みに向けた課題が見える。
- ハラスメントが発生する要因については…
★管理者等からは、「利用者・家族等の性格又は生活歴関係」、「利用者・家族等がサービスの範囲を理解していないから」、「利用者・家族等がサービスへ過剰な期待をしているから」、「利用者・家族等の認知症等の病気又は障害によるものであるから」等を上位にあがっています。 - 利用者・家族等からのハラスメントの未然防止や解決に向けた取り組みを行う上での課題について、管理者等からは…
★「ハラスメントかどうかの判断が難しい」が最も多くなっています。
(2)ヒアリングから見えてきた発生要因。
- ヒアリングによれば…
★職員が利用者・家族等からハラスメントを受けても、管理者等が十分に話を聞くことができていない状況があります。
★職員の側に問題があるかのように対応するケース等があります。 - ハラスメントを受けたことを相談しにくい雰囲気が職場にあるとの意見もあります。
- 職員が自分さえ我慢すればおさまる、自分が未熟だから等と考え、ハラスメントを受けても自分の中だけで抱え込んでしまいがちになるといった意見もあります。
- 一方で、注意をしてもハラスメントが続く利用者については…
★契約解除と次の介護事業者への紹介が繰り返されることもあり、問題の解決が先送りになっています。
※介護現場も、ハラスメントは大きな問題です。特に、対人サービスの介護は、常にその問題に直面しています。
管理者の方、責任者の方、また、周りの仲間の方、早めに状況に気付き、相談と対応をしていきましょう。お互いの注意が大切と思います!
次回は、 ハラスメントに関する介護事業者としての
把握状況注意点!を紹介しています。
【9-2】
★★★ここをクリック★★★
※介護事業者としてのハラスメント把握状況は! 【9-2】
ありがとうございます
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