介護事業者のハラスメント把握とは?
今回は、「介護事業者」のハラスメントの把握状況を考えてみたいと思います。
各調査機関の資料をもとに、現在の介護現場でのハラスメント内容を深掘りしてみます。何らかの参考になれば幸いです。
ハラスメントに関する介護事業者としての把握状況を知る!
Ⅰ:介護事業者による把握状況を確認すると?(資料より)
事業者の把握内容は?
利用者・家族等からの職員に対するハラスメントについて、介護事業者の把握状況を見ると、サービス種別で異なるものの「3~5割」程度の事業者がハラスメントの発生を把握しています。
また、「3~6割」が「ハラスメントは発生していない」と回答しています。一方で、「ハラスメントの有無を把握できていない」事業者が1 割程度となっています。
職員がハラスメントを受けた場合の相談状況を見ると、サービス種別により多少の違いはあるものの、「ハラスメントを受けた際には些細な内容でも相談した」ケースは「2~5割」程度、「ハラスメントを受けた際に相談しなかった」ケースは「2割~4割」程度となっています。
Ⅱ:介護事業者におけるハラスメントへの対応方法を考えてみると?
事業者における防止対策がある!
- 利用者・家族等の様々な状況からハラスメントのリスクを施設・事業所内で検討する体制がある。
- 特定の職員が長期間固定して特定の利用者を担当することがないように職員配置してある。
- 同性介助が実施できるように職員配置してある。
- ハラスメントの発生ケースを振返り施設・事業所内で 再発防止を検討する体制がある。
などの取り組みが 行われていますが?
それらの取り組みを行っている事業者は、半分以下にとどまっている!
- 安全確認の為、施設・事業所から施設・事業所外にいる職員に 連絡するシステムがある。
- ハラスメントの発生ケースについて、必ず利用者の主治医に報告し連携をとる体制がある。
- ハラスメントの発生ケースについて、保険者と情報共有し、連携協力して対応する体制がある。
- 苦情対応に当たっては、対応する職員および利用者・家族等の双方の言動がエスカレートしないよう、対応方法について定期的に職員研修を実施している。
- 事業者は、サービスにより異なるものの、多くても「3割程度」にとどまっています。
ハラスメント発生時の対応方法としては?
- 施設・事業所として把握した際、 ハラスメントの事実確認を行う。
- 職員と具体的対応について話し合う場を設定する。
- 職員に今後の対応について明確に示す。
- 利用者・家族等と速やかに話し合いを行い、再発防止策を検討する。
などを行っています。
事業者によるハラスメ ントの防止対策の整備状況と発生時の対応方法を資料より比較すると?
- 発生時の対応方法に取り組んでいる事業者の割合は比較的高いものの、防止対策に取り組む事業者の割合は低くなっています。
- ヒアリングによれば、防止対策として、職員への研修の実施や、契約時等において利用者・家族等にハラスメントを許容しないこと、契約の解除がありうること等を説明している事業者もあります。
労働団体や事業者団体の取り組みとは?
その他、ハラスメントは各事業団体にも取り組みがある!
UA ゼンセン 日本介護クラフトユニオン では 、ハラスメント防止の第 1 歩として、 ご利用者やそのご家族からのハラスメント行為の問題を重要かつ緊急の課題ことを認識するとともに…
その防止について定め、ハラスメントのない快適な職場環境の実現に努力し、もって介護従事者の社会的地位向上に資することを目的(ご利用者・ご家族からのハラスメント防止に関する集団 協定書 UA ゼンセン日本介護クラフトユニオン資料)に、法人と利用者や家族からのハラスメント防止の協定を結ぶ取り組みを始めています。
一般社団法人全国訪問看護事業協会では、ハラスメントの予防と対応に関する調査結果や様々な知見をもとに執 筆、編著した書籍を出版しています 。
次回は、職員から見たハラスメントの対応として必要な取り組み内容を紹介
【9-3】
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※職員から見たハラスメントの対応として必要な取り組み!【9-3】
【ありがとうございます】
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