介護施設の身体拘束?
(虐待防止指導内容)
介護施設における身体拘束の問題は、非常に重要な課題です。身体拘束とは、利用者の自由を制限する行為であり、例えばベッドに縛り付ける、車椅子に固定するなどの方法が含まれます。これらの行為は、利用者の尊厳を損なうだけでなく、身体的・精神的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
厚生労働省は、介護施設における身体拘束の適正化を強く指導しており、各行政や介護事業者も「身体拘束ゼロ」を目指して取り組んでいます。具体的には、以下のような指導内容が含まれます:
1. 身体拘束の廃止・防止のための基本方針の策定:施設ごとに身体拘束を行わないための方針を明確にし、全職員に周知徹底します。
2. 定期的な研修の実施:職員に対して、身体拘束の問題点や代替手段についての教育を行い、意識を高めます。
3. 身体拘束適正化委員会の設置:定期的に委員会を開催し、身体拘束の発生状況や防止策について検討します。
4. 緊急やむを得ない場合の対応:身体拘束が必要とされる場合でも、緊急性、非代替性、一時性の三原則を満たす場合に限り、適切な手続きを踏んで行います。
これらの取り組みにより、利用者が尊厳を持って安心して生活できる環境を整えることが目指されています。身体拘束ゼロを実現するためには、施設全体の協力と継続的な努力が必要です。
有料老人ホーム標準指導指針の改正内容は?
平成30年度介護報酬改定を踏まえた見直し!
◆【平成30年度介護報酬改定】
指定特定施設等における身体的拘束等の適正化を図るため、対策を検討する委員会の開催、指針の整備、職員に対する研修の実施等が義務づけられたことを踏まえ、有料老人ホームにおいても同様の措置を求めるられることになりました。
これを受けて各自治体の有料老人ホーム指導指針が改正!
◆【身体的拘束等の適正化を図るために、次に掲げる措置を講じる】
- 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を三月に一回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。
- 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
- 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。
になりました。
身体的な拘束等の適正化に必要
◆【特定施設以外のサ高住の対応内容が決まった】
- 指針の整備をする。
・初回の委員会で読み合わせをする。
・スタッフ(入居者)が閲覧できるようにファイル等にする。- 身体的拘束等適正化のための委員会を3月に1回以上開催(身体拘束該当者がいなくても開催する)をする。
・所内の全体会議の一部時間で開催してもかまわない。- 委員会の議事録について介護職員その他従業者に周知徹底をする。
- 身体的拘束等についての研修の実施をする。
・新規入社時
・年1回以上(出典:厚労省)
身体的な拘束等の適正化は?
指針の作成【参考】特定施設入居者生活介護等に関しては?
◆【指定特定施設が整備】
「身体的拘束等の適正化のための指針」には、このような項目を盛り込むこととなりました。
- 施設における身体的拘束等の適正化に関する基本的考え方。
- 身体的拘束適正化検討委員会その他施設内の組織に関する事項。
- 身体的拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針。
- 施設内で発生した身体的拘束等の報告方法等のための方策に関する基本方針。
- 身体的拘束等発生時の対応に関する基本方針。
- 入居者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針。
- その他身体的拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針。
身体的拘束等の適正化の内容は?
◆【高齢者虐待防止法の定義】
- 身体的虐待身体に外傷が生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること。
- 介護・世話の放棄高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること心理的虐待高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
- 性的虐待高齢者にわいせつな行為をし、させること。
- 経済的虐待高齢者の財産を不当に処分するなど高齢者から不当に財産上の利益を得ること他者からの不適切な扱いにより権利を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態に置かれることは許されるものではなく、身体的拘束は原則としてすべて高齢者虐待に該当する行為と考えられます。
(出典:市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について厚生労働省H18年)
身体的拘束について?
◆サービスの提供にあたっては?
当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は身体を保護するため1)緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為を行ってはならない。
【用語説明】
1)緊急やむを得ない場合:切迫性・非代替性・一時性の3原則を満たさないと身体的拘束を行うことは許されない。
身体的拘束等の適正化を
身体拘束ゼロへの手引きで考える!
(東京都)
(東京都ホームページから)
東京都の資料は詳しく記載されています。勉強になると思う
★★★ここをクリック★★★
※東京都の身体拘束ゼロ手引きを紹介
◆切迫性・緊急性の判断を行う場合には?
身体拘束を行うことにより本人の日常生活等に与える悪影響を勘案し、それでもなお身体拘束を行うことが必要となる程度まで利用者本人等の生命または身体が危険にさらされる可能性が高いことを、確認する必要がある。
◆非代替性の判断を行う場合には?
まずは身体拘束を行わずに、介護するすべての方法の可能性を検討し、利用者本人等の生命または身体を保護するという観点から、他に代替手法が存在しないことを複数のスタッフで確認する必要がある。
◆一時性の判断を行う場合には?
本人の状態像等に応じて必要とされる最も短い拘束時間を想定する必要がある。
次回は、身体拘束等の例ですが
【老人ホーム】の身体拘束(虐待)に行政の指針がある
【2-2】
★★★ここをクリック★★★
※【老人ホーム】の身体拘束(虐待)の「拘束例」
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