ハラスメント基本概要は?
職場におけるハラスメントの防止と対策
職場でのハラスメントは、従業員の能力発揮を妨げ、人格権を侵害する深刻な問題です。ハラスメントは多岐にわたり、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなどがあります。これらは従業員の精神的、時には身体的な健康を害し、企業の生産性や社会的評価にも悪影響を及ぼします。
厚生労働省は、職場におけるハラスメント防止のための指針を設けており、事業主に対して適切な措置の実施を義務付けています。これには、ハラスメントの定義の明確化、相談体制の整備、事実確認と適切な対応、再発防止策の講じ、プライバシーの保護などが含まれます。
また、職場でのハラスメントには新たな形態も出現しており、例えば「溜息ハラスメント」や「カラオケハラスメント」など、従来のカテゴリーに収まらないケースも増えています。これらに対処するためには、従業員教育の強化やダイバーシティの促進が重要です。
企業は、ハラスメントの予防と対策を真剣に考え、従業員一人ひとりが安心して働ける環境を提供することが求められています。これは法的義務だけでなく、企業の持続可能な成長と社会的責任を果たすための必要不可欠なステップです。職場でのハラスメントは許されない行為であり、その撲滅に向けた取り組みは、より良い職場環境を作るための基盤となります。
2020年(令和2年)6月1日より、
職場におけるハラスメント防止対策が強化されています!
パワーハラスメント防止措置は事業主の義務です!
中小事業主も、2022年(令和4年)4月1日から義務化されました。
(それまでは努力義務ですが?)早めの社員教育をしておくべきです!
◆【職場における「パワーハラスメント」とは】下記の1~3までの要素を全て満たしたものを言います。
- 優越的な関係を背景とした言動…
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの…
- 労働者の就業環境が害されるもの…
※ 客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しませんので、注意してください。
職場におけるパワハラの3要素とは!
Ⅰ:優越的な関係を背景とした言動内容がある!
◆具体的な内容は?
当該事業主の業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものがあります。
◆参考例としては?
- 職務上の地位が上位の者による言動があります。
- 同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるものがあります。
- 同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの 等があります。
Ⅱ:業務上必要な範囲を超えた言動がある!
◆業務上必要性をこえた具体的な内容は?
社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものがあります。
Ⅲ:労働者の就業環境が害される内容がある!
◆労働者の就業環境の具体的な内容は?
当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることがあります。
この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当なことがあります。
職場におけるパワハラには?
「該当する」・「該当しない」と考えられる場合があります!
代表的な言動の内容が、
内容ごとに典型的に職場における例!
【個別の事案の状況等によって判断が異なる場合もあり得ることがあります】
十分の注意をする必要がある。
職場におけるパワハラに該当するか微妙なものも含め広く相談に対応するなど、適切な対応を行うことが必要。
代表的な言動の内容は?
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 殴打、足蹴りを行う。
- 相手に物を投げつける。
◆該当しないと考えられる例は?
- 誤ってぶっかる。
(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。
- 業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う。
- 他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う。
- 相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する。
◆該当しないと考えられる例は?
- 遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする。
- その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をする。
(3)人間関係からの切り離し…(隔離・仲間外し・無視)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする。
- 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる。
◆該当しないと考えられる例は?
- 新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施する。
- 懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせる。
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる。
- 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する。
- 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる。
◆該当しないと考えられる例は?
- 労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる。
- 業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せる。
(5)過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。
- 気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない。
◆該当しないと考えられる例は?
- 労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減する。
(6) 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)がある。
◆該当すると考えられる例は?
- 労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする。
- 労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する。
◆該当しないと考えられる例は?
- 労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行う。
- 労働者の了解を得て、当該労働者の機微な個人情報(左記)について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促す。
※自身のことを、振り返り、上記のような言動がないか?注意をすることが大切と思います。知らず知らずのうちの言動もあります!
★★★介護現場におけるハラスメントについて★★★
「事業主及び労働者の責務がある」!
【4-2】
★★★ここをクリック★★★
※職場におけるハラスメントについて!「事業主と労働者」【4-2】
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