介護現場におけるハラスメントについて考える?【4-4】

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ハラスメントの具体的な対策

介護現場におけるハラスメント対策は、職員が安心して働ける環境を整えるために非常に重要です。以下に具体的な対策をいくつか紹介します。

 1. ハラスメントの定義と認識
まず、ハラスメントとは何かを明確に理解することが重要です。介護現場では、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、カスタマーハラスメントなどが問題となります。これらの違いを理解し、職員全員が認識を共有することが必要です。

2. 研修と教育
定期的な研修を通じて、職員にハラスメントの認識と対処法を教育します。厚生労働省は「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」や「研修の手引き」を提供しており、これらを活用することで効果的な研修が可能です。

 3. 相談窓口の設置
ハラスメントを受けた職員が安心して相談できる窓口を設置します。相談窓口は匿名での相談も受け付けるようにし、職員が安心して利用できる環境を整えます。

 4. 具体的な対策
・加害者への対応: 注意勧告や担当者の変更、場合によっては介護サービスの停止などの措置を講じます。
・被害者への支援: メンタルヘルスのサポートや、必要に応じて加害者からの謝罪を受ける機会を設けます。
・事業所の対応: 事案の内容に応じて、事業所全体で再発防止策を検討し、関係者と連携して対応します。

 5. カスタマーハラスメントへの対策
利用者やその家族からのハラスメントも深刻な問題です。これには身体的暴力、精神的暴力、セクシャルハラスメントが含まれます。これらに対しては、職員の安全を最優先に考え、必要に応じて上司や専門家に相談することが重要です。

 6. 法的措置と行政の支援
必要に応じて、法的措置を検討し、行政の支援を受けることも考慮します。地域医療介護総合確保基金を活用することで、複数人での訪問介護を実施する際の費用を助成することが可能です。

これらの対策を通じて、介護現場でのハラスメントを防止し、職員が安心して働ける環境を整えることができます。継続的な取り組みが重要ですので、定期的に対策を見直し、改善を図りましょう。

高齢化社会でのハラスメント背景は?

【時代背景】

◆今後の日本社会のさらなる高齢化に対応は…

 医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築に向け、最重要な基盤の一つである介護人材を安定的に確保し、介護職員が安心して働くことのできる職場環境・労働環境を整えることが必要不可欠になっています。

近年、介護現場では、利用者や家族等による介護職員への身体的暴力や精神的暴力(セクシュアルハラスメント)などが少なからず発生していることが様々な調査で明らかとなっています。

介護サービスは直接的な対人サービスが多く、利用者宅への単身の訪問や利用者の身体への接触も多いこと、職員の女性の割合が高いこと、生活の質や健康に直接関係するサービスであり安易に中止できないこと等と関連があると考えられます。

【参考内容】

 平成 29 年度には、全産業を対象とした、主に職場における上司、同僚等によるハラスメントについて「職場におけるハラスメント対策マニュアル」(厚生労働省 平成 29 年 9 月)及び「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」(厚生労働省 平成 30 年3 月)が公表されています。

利用者・家族等からのハラスメント対策については職場におけるハラスメントとは異なる課題として取り組む必要があります。

また、ハラスメントは介護職員への影響だけでなく、利用者自身の継続的で円滑な介護サービス利用の支障にもなり得ます。

そこで、このたび、介護現場における利用者や家族等からのハラスメントの実態を調査するとともに、介護職員が安心して働くことができるハラスメントのない労働環境を構築するためのハラスメント対策マニュアルを作成する必要があります。

マニュアルは、介護現場における利用者や家族等によるハラスメントの実態を伝えるとともに、事業者として取り組むべき対策などを示すことにより、介護現場で働く職員の安全を確保し、安心して働き続けられる労働環境を築くための一助となること、ひいては人材の確保・定着につながることを目的とします。

(出典:厚生労働省)

介護現場でのハラスメントの具体的内容は?

介護現場におけるセクシャルハラスメントとは?
(身体的・精神的の面がある)

Ⅰ:身体的暴力とは?

◆身体的な力を使って危害を及ぼす行為!
身体的な力を使って危害を及ぼす行為。(職員が回避したため危害を免れたケースを含む)

【参考例】

  1. コップをなげつける。
  2. 蹴られる。
  3. 手を払いのけられる。
  4. たたかれる。
  5. 手をひっかく、つねる。
  6. 首を絞める。
  7. 唾を吐く。
  8. 服を引きちぎられる。

Ⅱ:精神的暴力とは?

個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つけたり、おとしめたりする行為!

【参考例】

  1. 大声を発する。
  2. サービスの状況をのぞき見する。
  3. 怒鳴る。
  4. 気に入っているホームヘルパー以外に批判的な言動をする。
  5. 威圧的な態度で文句を言い続ける。
  6. 刃物を胸元からちらつかせる。
  7. 「この程度できて当然」と理不尽なサービスを要求する。
  8. 利用者の夫が「自分の食事も一緒に作れ」と強要する。
  9. 家族が利用者の発言をうのみにし、理不尽な要求をする。
  10. 訪問時不在のことが多く書置きを残すと「予定通りサービスがなされていない」として、謝罪して正座するよう強く求める。
  11. 「たくさん保険料を支払っている」と大掃除を強要、断ると文句を言う。
  12. 利用料金の支払を求めたところ、手渡しせずに、お金を床に並べてそれを拾って受け取るように求められた。
  13. 利用料金を数か月滞納。「請求しなかった事業所にも責任がある」と支払いを拒否する。
  14. 特定の訪問介護員にいやがらせをする。

Ⅲ:セクシュアルハラスメント (以下「セクハラ」)とします!

◆意に添わない性的誘いかけ、好意的態度の要求等、性的ないやがらせ行為!◆

Ⅳ:その他:参考例

  1. 必要もなく手や腕をさわる。
  2. 抱きしめる。
  3. 女性のヌード写真を見せる。
  4. 入浴介助中、あからさまに性的な話をする。
  5. 卑猥な言動を繰り返す。
  6. サービス提供に無関係に下半身を丸出しにして見せる。
  7. 活動中のホームヘルパーのジャージに手を入れる。

以下の内容は
「ハラスメント」ではありません!
「注意事項」

認知症等の病気または障害の症状として現われた言動( BPSD 等)。

【用語説明】

※BPSDとは、 認知症の行動症状(暴力、暴言、徘徊、拒絶、不潔行為等)
・心理症状(抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害等) です 。( 参照 :厚生労働省「 BPSD :認知症の行動・心理症状」)

◆特に注意が必要な事項がある

  1. 病気または障害に起因する暴言・暴力であっても、職員の安全に配慮する必要があることには変わりありません。
  2.  事前の情報収集等(医師の評価等)を行い、施設・事業所として、ケアマネジャーや医師、行政等と連携する等による適切な体制で組織的に対応することが必要です。
  3.  暴言・暴力を受けた場合には、職員が一人で問題を抱え込まず、上長や施設・事業所へ適切に報告・共有できるようにすることが大切です。
  4. 報告・共有の場で対応について検討することはもとより、どのようにケアするかノウハウを施設・事業所内で共有できる機会にもなります。

その他にもあります…

◆利用料金の滞納

 不払いの際の言動がハラスメントに該当することはあり得ますが、滞納自体は債務 不履行の問題として対応する必要があります。

【 苦情の申立て等】

「パワハラ・セクハラ」大きな問題ですので介護現場でのハラスメントは更に詳しく
9回に分けて考えてみたいと思います。

★★★下記をクリック★★★
※介護現場で問題の
「セクシャルハラスメント」を考える!【9-1】


 

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ABOUTこの記事をかいた人

パナソニックにて24年以上の介護事業経験を有し、個人の介護体験を活かして、シニア世代及び高齢者が自分らしい生活を送れるよう情報を提供します。介護保険や介護施設、在宅介護の準備に関する情報提供を通じて、超高齢社会の課題に取り組むことを目指しています。