家族介護の問題点を考える?

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家族介護の現実を知っておくべき

家族介護の限界について?

1. 身体的負担

介護は体力を必要とします。
・特に高齢者や病気の親を介護する場合、持ち上げたり、移動させたりする作業が頻繁に発生し、これにより、介護者自身が腰痛や筋肉痛などの身体的な問題を抱えることがあります。

2. 精神的ストレス

介護は精神的にも大きな負担となります。
・認知症の親を介護する場合、混乱や徘徊、暴力行為などに対応する必要があり、これが長期間続くと介護者の精神的な健康に影響を及ぼします。

3. 社会的孤立

介護に専念することで、友人や社会とのつながりが希薄になることがあります。
・介護者は外出や趣味の時間を削ることが多く、孤立感を感じることが少なくありません。

4. 経済的負担

介護には多くの費用がかかります。
・医療費や介護用品、リフォーム費用などが積み重なり、家計に大きな負担を与えることがあります。また、介護のために仕事を辞める場合、収入が減少するリスクもあります。

5. 時間の制約

介護は時間を必要とします。
・24時間体制での介護が必要な場合、介護者は自分の時間をほとんど持てなくなります。これにより、自己管理やリフレッシュの時間が取れず、疲労が蓄積します。

6. 専門知識の不足

介護には専門的な知識が必要です。
・特に医療的なケアや認知症の対応には、専門的な知識と技術が求められます。これが不足していると、適切なケアができず、介護者自身が不安を感じることがあります。

7. 感情の葛藤

親を介護することは、感情的な葛藤を引き起こすことがあります。
・愛情と義務感の間で揺れ動き、時には怒りや悲しみを感じることもあります。これが長期間続くと、介護者の精神的な健康に悪影響を及ぼします。

8. 家族内の対立

介護の負担が一人に集中すると、家族内での対立が生じることがあります。
・兄弟姉妹間での役割分担や、介護の方法についての意見の違いが原因となることが多いです。

9. 介護者の健康問題

介護者自身が健康を損なうことがあります。
・長時間の介護やストレスが原因で、介護者が病気になるリスクが高まります。これにより、介護がさらに困難になることがあります。

10. 将来への不安

介護が長期化することで、将来への不安が増します。
・親の状態が悪化することや、自分自身の老後についての不安が重なり、精神的な負担が増大します。

家族介護の悩みとは…

 家族介護には多くの限界があり、介護者自身の健康や生活に大きな影響を与えることがあります。これらの限界を理解し、適切なサポートを受けることが重要です。専門家やサポート団体の助けを借りることで、介護の負担を軽減し、より良いケアを提供することができます

 また、家族介護に関連する事件の件数は増加傾向にあります。例えば、2021年度には在宅での家族による高齢者虐待の件数が過去最多の17,281件に達しました。また、2020年度には高齢者虐待の相談・通報件数が38,291件に上り、前年よりも5.3%増加しています

これらの数字からは、介護者の負担が増大し、適切なサポートが必要であることを強く示しています。

家族虐待の現状

家族介護における課題である家族虐待の主な内容を5つ紹介します

  1. 身体的虐待
    暴力的な行為によって身体に傷や痛みを与える行為や、外部との接触を意図的に遮断する行為。

  2. 心理的虐待
    脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせなどによって精神的に苦痛を与えること。

  3. 性的虐待
    本人が同意していない性的な行為やその強要。

  4. 経済的虐待
    本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。

  5. 介護・世話の放棄・放任
    必要な介護サービスの利用を妨げる、世話をしないなどにより、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させること。

行政の家族介護者を支援するためのサポート体制

以下にいくつかの主要なサポート体制を紹介します

  1. 地域包括ケアシステム
     高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を続けられるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体となったサービスを提供します。

  2. 家族介護者支援事業
    家族介護者の負担を軽減するための相談窓口や、介護教室、交流会の開催などを行っています。

  3. 介護保険制度
    介護が必要な高齢者に対して、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどのサービスを提供します。

  4. 認知症サポート
    認知症高齢者とその家族を支援するための地域支援事業や、認知症サポーターの養成講座を実施しています。

  5. 介護者の健康管理
    介護者自身の健康を守るための健康相談や、リフレッシュのためのプログラムを提供しています。

    家族介護において、今後行政や家族が取り組むべき主な内容

    行政の取り組み

    1. 介護サービスの充実
      地域包括ケアシステムの強化を図り、在宅介護サービスの提供を拡充します。これにより、家族介護者の負担を軽減し、質の高い介護を提供します。
    2. 介護者支援プログラムの導入
      介護者のメンタルヘルスケアやリフレッシュのためのプログラムを提供し、介護疲れを防ぎます。
    3. 経済的支援の拡充
      介護にかかる費用を補助するための経済的支援制度を拡充し、介護者の経済的負担を軽減します。
    4. 介護休業制度の普及
      介護休業制度の周知と利用促進を図り、働きながら介護を行う人々を支援します。
    5. 地域コミュニティの活性化
      地域のボランティア活動やコミュニティサポートを促進し、介護者が孤立しないように支援します。

    家族の取り組み

    1. 情報共有とコミュニケーション
      家族間で介護に関する情報を共有し、役割分担を明確にすることで、介護の負担を分散します。
    2. 介護技術の習得
      介護技術や知識を学ぶための講座やセミナーに参加し、適切な介護を提供できるようにします。
    3. メンタルヘルスケア
      介護者自身のメンタルヘルスを大切にし、ストレスを軽減するための方法を取り入れます。
    4. リフレッシュの時間を確保
      介護者がリフレッシュできる時間を確保し、介護疲れを防ぐための工夫をします。
    5. 外部支援の活用
      地域の介護サービスやボランティア、行政の支援を積極的に活用し、家族だけで抱え込まないようにします。

    これらの取り組みを通じて、家族介護の負担を軽減し、より良い介護環境を整えることができるようにするべきです。


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ABOUTこの記事をかいた人

パナソニックにて24年以上の介護事業経験を有し、個人の介護体験を活かして、シニア世代及び高齢者が自分らしい生活を送れるよう情報を提供します。介護保険や介護施設、在宅介護の準備に関する情報提供を通じて、超高齢社会の課題に取り組むことを目指しています。